かなり更新の期間が開いてしまいましたが論理回路の学習方法について自分の経験をもとに記述していきたいと思います。論理回路は非常にとっつきにくい科目ですが、慣れると結構早く解けて得点源になるので、しっかりと対策していきましょう。
名大入試 論理回路の特徴
まず、論理回路の難易度ですが、こちらもなかなか難しいです。半端な努力じゃ完答なんてできません。ただ、解ける場合は、難しい計算などはないので時間はあまりかからないと思います。勉強時間にゆとりがある場合は論理回路も解答科目の候補として勉強しておくべきでしょう。
注意点としては、他科目も同様ですが、些細なミス(勘違い)で大量失点する場合があります。また、完璧な理解をせず、回路一つの機能に不安があるとその不安をずっと抱えたまま解答を進めなければなりません。これは避けたい状況です。。。
過去問を分析した結果、全加算器・半加算器に関する問題、順次桁上げ・桁上げ先見方式の加算器を構築させる問題、真理値表を記し、それを表現する回路を構築させる問題、出力の変化の波形を描かせる問題、条件を満たすカルノー図、状態遷移図を書かせる問題、Dラッチ回路・Dフリップフロップ回路を構築させる問題、3つの内部状態を持つ順序回路の問題など、多くの種類の問題が出ています。問題は毎年ごっそり変わります。なので対策は難しそうです。
他にも、過去に一度だけ出題された問題として、遅延時間に関する問題、セレクタに関する問題(セレクタを知らないときつい、知ってれば簡単)があります。ここらは正答率が低かったのでは。。
また、論理回路の学習を参考書などで行うと、初めの方に論理関数の簡単化についてのページが結構あると思います。しかし、名大入試の論理回路では、論理関数の簡単化だけの問題は出題されたことがありません(令和2年度から平成24年度)。なので、難しい論理関数の簡単化の学習は必要ないと思われます。ただ、カルノー図の絡む問題などで、簡単化の基礎知識が必要になる場面はいくつかありますので、基礎的な部分はしっかり学習しておいたほうがいいです。
名大入試 論理回路の学習法
学習法についてです。まずは参考書のご紹介。
基本的にはこちらの参考書を使って学習を進めていました。この参考書では、論理回路の基礎的な理解をすることが可能で、簡単化や、組み合わせ回路、順序回路、カルノー図、状態遷移図などの説明がされています。この参考書をつかって学習するだけで必要最低限(5割)は取れると考えます。カバーしている難易度や演習題の量は少ないですが、この本の良い点は説明が完結で非常にわかりやすいことです。外部からの受験で、そもそも論理回路の基本がわからない方や内部生でも論理回路の学習で行き詰まっている方はこの本を使用することで基礎理解が可能になると思います。最初の難関、桁上げ先見方式の加算器や、超難問フリップフロップ回路の理解が容易にできます。論理回路を解答する予定の方にはお勧めの良書です。
この本は大学院入試に直結するような演習題があるわけではありませんが、ディジタル論理回路の基礎について非常にわかりやすく説明しています。この分野の参考書は分かりづらいものが多いですが、この参考書は初学者の方にも優しく、時折、工作の図を交えており、わかりやすく説明しようという筆者の心構えが感じられます。学習時間に余裕のある方にはお勧めです。
こちらの参考書は、「論理回路入門」同様、論理回路の基礎について学ぶことができます。数の体系、論理関数など基本的なパートは前半に、後半は、やや難解な論理装置の設計が掲載されています。名大入試であれば、最後まで学習する必要はないと思いますが、「論理回路入門」よりも詳細な説明がされており、「論理回路入門」と併用して使用するのが良いと思います。用語の説明も非常に丁寧で、独学者には非常に時間的なコスパの良い良書だと思います。
名大入試 論理回路の対策
論理回路の対策ですが、やはり勝負の決め手(どこで点差が生じるか)は順序回路の理解の深さだと考えます。入力前後でどのように状態が変化しているのかを理解し、ラッチ回路とフリップフロップ回路の違いなど細かなところの理解が無いようでは高得点が望めません。この分野では、演習題(練習問題)を確保するのが非常に難しいです。なので、少ない問題を完璧に理解して(友人と答え合わせするなどして)、本番その知識を応用して解けるように準備することが必要だと思います。また、本番に向けて最低限やるべきこと(各種フリップフロップの理解。もちろん、イネーブル付きやラッチなども)を行っていきましょう。
おわりに
以上が、論理回路の解説です。学習が非常に困難で、ストレスを感じながらの学習になるとは思いますが、理解をすれば本番は楽に解き進められる科目ではありますので、頑張って学習を進めていきましょう。
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