やや投稿の期間が開いてしまいましたがいよいよ専門編です。最初は電子回路から!電子回路もそうですが専門部門の試験問題はけっこう難しいのでしっかり対策をする必要があります。それでは行きましょう。
名大入試 電子回路の特徴
まず、難易度ですがシンプルに難しいです。名大の電子回路が難しいというよりは電子回路自体が難しい印象です。毎年難しいですが、過去の入試問題では積分回路と差動回路の基本的な知識だけあれば10分くらいで解けるようなものもあったので、出題者によってはラッキーな年もあるでしょう。また、内容としてMOSFETは出ず、npnトランジスタだけ出題されています(令和2年度から平成24年度)。自分は一応MOSFETの基本的な理解はしていました。MOSFETも原理はそこまで難しくはないので念のため学習しておくべきです。一番出題頻度の高い問題はnpnトランジスタを用いたエミッタ接地増幅回路でした。
外部から受験する場合は答えがあっているか全然わからないので、一緒に名大入試を目指す人と答え合わせをするか、大学の教授に聞いてみることが大切です。大学院入試はただでさえストレスがたまるものなので、わからない問題を抱えるストレスはなるべく回避しましょう。
当然入試問題は毎年少しずつ変化をつけてくるので多くの回路パターンの網羅的知識が必要です。かなり抽象的な表現になってしまって申し訳ないですが、電子回路論は一つの分野や一つの回路の勉強したから解ける、というものではなく様々な回路の性質や特性を知って初めて完璧な理解となるので、広い範囲の学習をむらなく行うことが大切です。
名大入試 電子回路の学習法
続いて具体的な学習方法について説明します。基本的に参考書の学習から過去問のやりこみです。ただ、電子回路の勉強では優れた参考書に出会うことが非常に難しいため、学習が困難になります。そんなこともふまえて、僕が使ってよかったと思う参考書はこちらです。
トランジスタ回路に関する書籍で良書と呼ばれるものはほとんどない中で、この参考書だけはトランジスタの原理(特にMOSFETだが)や多くの回路の機能、性能などを掲載しており、読者のためになるべくわかりやすく記述してある数少ない参考書です。ただし、回路を理解する上での計算はやや難解なものがあるため数学的な予備知識が必要になることがあるかもしれないです。この参考書は外部から受験する方にとっては必須だと思います。
私は電子回路に関する参考書は3冊購入しましたが主にこの参考書と過去問演習をしていました。残りの2冊は学習が行き詰ったときに使ったりしていました。以下にリンクを貼っておきます。
この参考書は先ほどの参考書で分からない問題があったときに使用していました。全体的に学習をした参考書というよりは辞書代わりに使っていました。
この参考書は内容がやや難しいため、初期学習を終えもう少し難しい内容まで踏み込みたいという方にはお勧めです。ですが、名大院試の電子回路の学習なら基本的に先ほどの「アナログ電子回路の基礎」の学習で、足りると思います。唯一、中間周波数の内容や遮断周波数の内容が「アナログ電子回路の基礎」は弱いのでその補完にはちょうど良い参考書だと思います。
あと、学習初期はこちらの動画も参考にしていました。増幅回路の説明がとてもうまく、当時の自分には目かろうろこの動画でした。
名大入試 電子回路の対策
続いて対策ですが、先ほどまで述べた学習を続け、過去問をある程度解けるようなったら名大院試を目指す友人と過去問の解説を互いに行うとよいと思います。電子回路論は完璧な理解というのが大変難しく、自分がいまどこまで理解できているのかを知るという意味でも大切なことだと思います。試験の内容的には、理想的な演算増幅器が絡んだ回路の理解、周波数の変化によるコンデンサの役割、周波数特性、中間周波数の時の増幅回路の小信号等価回路とhパラメータを用いた入出力関係も書けるようにすることなどがあげられます。hパラメータを用いた小信号等価回路は当日は絶対覚えていかなければなりません。それだけで一問は解けます(出題されたらですが)。逆に知らないとその問題はすべて落とすことになります。また、出題頻度は低いですが、遮断周波数に関する問題も数回出題されています。デシベルを用いた計算ができることが前提の問題になりますので、電子回路論で点数を稼ごうと考えている方は、それらの勉強もしたほうが良いと思います。
おわりに
冒頭でも述べたように難しい科目ですので、点数を取るには科目全体の網羅的知識が必要です。時間をかけて様々な回路の性質や特性の知識を得て、広い範囲の学習をむらなく行うことが大切です。電子回路で点数を稼げるという自信があれば当日の専門科目への不安は一気になくなるはずです。
コメント